Archive for the ‘研究’ Category

安田浩一さんと対談本を出しました。

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2018年の夏にジャーナリストの安田浩一さんと3回の対談をし、校正して2019年2月10日(奥付)に論争社さんから出版しました。

Amazonや大手書店などで販売中です。みなさん、よろしくお願いいたします。

Amazon←クリック

 

以下のような内容となっております。

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なにがリアルで、なにがフェイクなのか?
通説をねじ曲げ、他者を差別・排除し、それが正しいと信じる。そんな人たちが、なぜ生まれるのか?
『ネットと愛国』のジャーナリスト・安田浩一と『歴史修正主義とサブカルチャー』の社会学者・倉橋耕平が、90年代から現在に至る右派の動向について徹底討論!

安田浩一(やすだ・こういち)
1964年、静岡県生まれ。「週刊宝石」「サンデー毎日」記者を経て2001年よりフリーに。事件、労働問題などを中心に取材・執筆活動を続ける。2012年『ネットと愛国』(講談社)で第34回講談社ノンフィクション賞受賞。2015年には「ルポ外国人『隷属』労働者」(「G2」掲載)で第46回大宅壮一ノンフィクション賞(雑誌部門)を受賞した。
倉橋耕平(くらはし・こうへい)
1982年生まれ。関西大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。立命館大学ほか非常勤講師。専攻は社会学・メディア文化論・ジェンダー論。2018年2月刊行の『歴史修正主義とサブカルチャー』(青弓社)が5刷と話題に。

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単著が出版されます。

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久しぶりの投稿です。

この度、青弓社より初めての単著が出版されることとなりました。

//////////書誌情報//////////

『歴史修正主義とサブカルチャー   90年代保守言説のメディア文化』
倉橋 耕平(著)
四六判  240ページ 並製
定価 1600円+税
ISBN978-4-7872-3432-2 C0336
奥付の初版発行年月 2018年02月
書店発売予定日 2018年02月28日
登録日 2018年02月03日

 

//////////青弓社による紹介文//////////

「メディアにヘイトスピーチやフェイク・ニュースがあふれ、「右傾化」が懸念される現代日本。「歴史修正主義(歴史否定論)」の言説に対する批判は、なぜそれを支持する人たちに届かないのか。

歴史修正主義を支持する人たちの「知の枠組み」を問うために、歴史を否定する言説の「内容」ではなく、「どこで・どのように語られたのか」という「形式」に着目する。現代の「原画」としての1990年代の保守言説を、アマチュアリズムと参加型文化の視点からあぶり出す。

「論破」の源流にある歴史ディベートと自己啓発書、読者を巻き込んだ保守論壇誌、「慰安婦」問題とマンガ、〈性奴隷〉と朝日新聞社バッシング――コンテンツと消費者の循環によって形成される歴史修正主義の文化と、それを支えるサブカルチャーやメディアの関係に斬り込む社会学の成果。」

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単著化まで長い時間がかかってしまいましたが、これまでの研究をまとめ、1冊の本として編集したものが本書です。それぞれ違う時期に書いていることもあり、若干読みにくいところがあるかもしれません。

本書は一応学術書の体裁を採っています。ですので、そうした学術書に関心のない方にオススメの読み順は、「はじめに」「おわりに」「1章」「2~5章」の好きなところから、というのが良いのではないかと思います。「序章」は研究背景と研究の枠組みについての話ですので、読み飛ばしていただいても構いません。

細かな補足などはまた後日暇をみつけて更新していこうと思います。

書店やwebストアで見つけたら、手にとってみてください。よろしくお願いします。

男性不妊と男性性

久しぶりに投稿します。

今年の1月に行われたシンポジウム「男性と生殖、セクシュアリティ」@立命館大学朱雀キャンパスの報告原稿を論文として掲載していただきました。

 

「男性不妊と男性性――〈老い〉という視点を読む」

(『インクルーシブ社会研究』16号、立命館大学人間科学研究所、pp101-111)

http://r-cube.ritsumei.ac.jp/bitstream/10367/8100/2/sis_16_kurahashi.pdf

全文ウェブで読むことができますし、PDFファイルをダウンロードすることができます。

 

当日の登壇者は、竹屋一美さん、由井秀樹さん、澁谷知美さん、中村正さん、永田夏来さん(コメンテーター)でした。由井さんの企画だったのですが、非常に面白く、議論も盛り上がりました。

私は、男性学分野がこのテーマに対して10年以上関わっていないことを指摘したうえで、現在「男性不妊」が男性学にとってどのように「主題化」されるのか、ということを考えてみました。そこでは、以前には薄かった「男性身体の医学化」と「老い」が男性性の失墜につながるのではないか、という視点が抽出されます。

 

実際、近年下記のような記事も多いです。

「妊活するなら「年下の夫」か? 年下の夫の妻は「出生率」が3割増という事実」

https://news.nifty.com/article/item/neta/12141-4400/

今後も時間を見つけてこのテーマに取り組んでいこうかなと思います。ちょっと某出版社に相談するための企画書を書こうかと考えています。

興味があったら読んでみてください。

 

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『生存をめぐる規範と秩序』(生存学研究センター報告26)が刊行されました。

デジタルデータでも公開されました!>>LINK

 

藤原信行・中倉智徳編『生存をめぐる規範と秩序』(生存学研究センター報告26)が刊行されました。これが最終号らしく、そこに寄稿できたと思うと感慨深いです。

今回私は、昨夏より取り組んでいた「保守論壇誌」に関わる論考を書きました。「「保守論壇」の変容と読者の教育——90年代出版メディア編成と言論の存在様式の視点から」というのが私の文章です。どういう話かかいつまんで言うと、90-00年の10年間に「論壇」と呼ばれる雑誌で最も書いていた執筆者の一人が大塚英志でした。彼がなかでも特異な執筆者であるのは、「論壇」に対して同時期に他を圧倒するくらい自己言及を行っていることでした。ある意味これは「サブカル評論家」大塚英志という認識が強い一方で、論壇の人大塚英志を読むという感じです。彼は、そこで「論壇」が「サブカル」になっていると喝破するわけです。歴史修正主義とかをバカにしながら。あんなもんサブカルだ、と。そんで、彼が注目するのが『正論』なんです。変な作りになっていると。そこを調べてみると論壇誌では異例の「読者投稿」スペースが全体の10%もある。これは大島信三編集長時代の大きな特徴なわけですわ。そんで、そこで何がなされていたか。まぁ、そいう内容の話を書きました(すいません、細かい議論の流れは直接読んでいただくことにしたいです)。

届き次第いろんな人にお渡しできますので、欲しい方はご一報くださればと思います。身近な人にはお送りしますので!

 

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手作り市民雑誌『PACE』に書評を寄稿しました。

手作り市民雑誌『PACE』の第10号に書評「堀江有里著『レズビアン・アイデンティティーズ』」(pp 65-74、PACE編集委員会)を寄稿しました。

 

カライモブックスで購入できます!>>>LINK

 

『PACE』は、若者の雇用問題と労働運動を研究しておられ、かつ市民運動家でもある橋口昌治さんや、歴史社会学の大野光明さんらが主体となって編集されている雑誌です。

橋口昌治

http://www.arsvi.com/w/hs01.htm

大野光明

http://www.arsvi.com/w/om14.htm

 

今回、私は洛北出版より2015年に出版された堀江有里さんの『レズビアン・アイデンティティーズ』について、書評依頼をいただき、寄稿させていただきました。

http://www.rakuhoku-pub.jp/book/27224.html

主旨は、〈アイデンティティ〉に軸を置く解放運動は、①マイノリティとしてマジョリティの規範の中に「包摂」されることを志向しておらず、②抑圧する社会そのものを問題視し、③レズビアン存在を可視化させ、④「マジョリティによって向けられる〈寛容〉や〈同情〉をも問題化していくこと」こそが関心の中心にあると思うということに着目して記述しました。

たくさんありますので、もらってください。

 

同書の合評会が立命館大学で行われます。私も行きます!みなさんもぜひご参加下さい。

フェミニズム研究会第5回公開研究会 〈抵抗〉を描く――『レズビアン・アイデンティティーズ』合評会

日時:2016年3月24日(木)14:00-17:30
会場:立命館大学衣笠キャンパス創思館403・404
主催:立命館大学生存学研究センター
共催:立命館大学人間科学研究所「インクルーシブ社会に向けた支援の〈学=実〉連環型研究(基礎研究チーム)」
参加:無料・申し込み不要

http://www.ritsumei-arsvi.org/news/read/id/705

 

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生存学研究センター報告書に寄稿しました。

立命館大学の『生存学研究センター報告書』の第21号に寄稿しました。

 

倉橋耕平「<性奴隷>は新聞報道にどのように登場したか——1991-92年の国内紙・英字紙を中心に」

 

編者の大谷さん、村上さん、本当にありがとうございました。

私は慰安婦問題において、<性奴隷>という言葉が報道上でどのように作られたのかを書きました。その過程で保守言説を資料を元にして批判してますわ!そのうちPDFでも読めるようになると思います!

本報告書自体は夏に合宿に参加させていただいた規範×秩序研究会の成果となっております。私は慰安婦問題において、<性奴隷>という言葉が報道上でどのように作られたのかを書きました。その過程で保守言説を資料を元にして批判してますわ!そのうちPDFでも読めるようになると思います!

http://www.ritsumei-arsvi.org/

2014.6.25更新

Webで読めるようになっています!!!是非チェックを!!!

http://www.arsvi.com/2010/1403kk.htm 

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共編著『ジェンダーとセクシュアリティ』(昭和堂)発売

大越愛子さんとの共編著書『ジェンダーとセクシュアリティ』(昭和堂)が発売になりました。昨年末より書店に並んでいます。現在では、ネット書店にも在庫が確認出来ます。以下、昭和堂の著作紹介ページより、お好みのネットブックストアに飛ぶことが出来るようになっております。

http://www.showado-kyoto.jp/book/b146098.html

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大越先生が近畿大学文芸学部を退職された記念に、以前より読書会を行っていたメンバーを中心的な執筆陣として約1年間かけて制作されました。いちおう、テキストとしても使用出来るように作られています。とはいえ、独立した書き方もされていますので、コラムも含めて縦横無尽な読み方をしてくださいませ。ちなみに、12/31に『朝日新聞』の朝刊1面でも広告が打たれました!あははー!嬉しいです!さらには、東京の大手書店からはすでに追加注文が入っています。お早めに。

そして、非常に目を引く表紙なわけですが、これにも記念著書ならではの理由があります。この絵、大越さんの姪が書いたものを表紙用にデザインして用いたものです。さらにいえば、今回の本の編集者も実は大越さんの姪(表紙絵を書いた人の姉)。昭和堂という非常に硬い出版社(すいません)から考えると非常にポップな表紙で、本の中のタイトルが書いてある紙(開いて1ページ目)も薄いピンクのキラキラ光っている紙が使われていて、非常に奇麗な作りにしてくれています。これは私が結構口酸っぱく「大越本は過去にダサいデザインばっっっかりだったので、キレイに仕上げてほしいです」とリクエストしたものでしたし、大越さんもこれを手に取る若い人たちが使うのに良いデザインのものという方向性でした。以上、表紙デザイン秘話。

私も次年度の授業で使う予定です。みなさん、何卒よろしくお願いします。

 

目次

第Ⅰ部 個人的なことは政治的である
第1章 個人的体験を政治化する(大越愛子)
第2章 男性性への疑問(倉橋耕平)
第3章 化粧という些細で重要な問題――〈私〉という経験を通じて(玉置育子)

第Ⅱ部 制度を揺るがす知的冒険
第4章 〈慰安婦〉と〈性奴隷〉をめぐるジャーナリズム史(倉橋耕平)
第5章 フェミニズムと宗教――性規範と文化の連関の中で(堀江有里)
第6章 「子どもを産む」とはいかなることか――自然から自由へ(大越愛子)
第7章 リベラリズムとフェミニズム(堀田義太郎)

コラム① 日本軍「慰安婦」の記憶を記憶する(井桁 碧)
コラム② 女子大学生の就活って――ガラスの壁がある?(宮崎啓子)
コラム③ バイセクシュアル再考(秦 功)
コラム④ 晩婚化現象の日中比較から見えるもの(穆旭明)
コラム⑤ ジェンダーを超える遊戯――宝塚歌劇とは何か(大越アイコ)
コラム⑥ 「フクシマ後」を生きる女性たち(本田雅和)
コラム⑦ ゲイ・ニューハーフをさまよう私(鹿野由行)
コラム⑧ 性・からだ・お産の現場から(原ゆかり)
コラム⑨ 生命倫理学とフェミニズム(白水士郎)